Windows NT
を導入してみない ?
〜家庭用パソコンに
Windows NT
を入れてみる〜
Windows NT (Workstation 4.0)を知ってますか ?
Windows NT (New Technology もしくは 開発時の i860エミュレータ「N10(N-Ten)」)
と言うと個人では関係のないもののように思われがちです。
実際はどうかというと、やはり個人で使うにはあまり関係のない機能が多いです(^^;
見た目や実際にワープロなどで作業をしたりするのは Windows 95 とほぼ同じ感じですが、
Windows NT はそのシステムが Windows 95 とは根本的に異なります。
かなり厳格です。
厳格ゆえに、実際に Windows 95 と同じように作業ができるように環境を整えていくのが
Windows 95 よりは大変な場合があります。特に、本来 Windows NT が稼動しないとされている
「家庭用機」としての位置づけをされたパソコンをお使いの場合には、ね。(^^;
でも、根気よくあきらめずに稼動させようと思えば稼動します。(たぶん・・・!! (^^; )
「家庭用機」や「業務用機」など単なる位置づけで、実態は両者とも同じパソコンなのですから。
しかし、場合によってはハードウェアを交換しなければならないという場合もあります。
(グラフィックカードやサウンドカードなど)その点、特にあらかじめご留意ください。
そういう意味でのメーカーの「稼動しない」との主張はある程度正しいのですが、言い方がねぇ〜...
Windows 95 と Windows NT では何が違うのでしょうか・・・
まず、Windows 95 に比べると圧倒的に信頼性が高いということが挙げられます。
ログオンを例にとると、Windows 95 ではユーザー名の入力の要求があってもキャンセルして
ログオンが可能なのに対して、Windows NT では
あらかじめ登録してあるユーザー名とパスワードが一致しないとログオンすらできません。
しかし、信頼性といってもこんなことは個人ユーザーにとってどうでもいいことです・・よ・・・ねっ。
本当にすごいのは、Windows 95 でしばしば発生するアプリケーションのトラブルによる
システム全体のフリーズの有無です。
Windows 95 ではアプリケーションのトラブルが Windows 95
のシステムを道連れにフリーズしてしまうということがありました。
当然作成中のデータは消え失せますし、フリーズしたのがハードディスクへのアクセス中だったら、
ハードディスクにエラーが生じる可能性もあります。
ところが、Windows NT では、たとえアプリケーションがトラブルを起こしても
NT の本体(カーネル【KERNEL】[OS])には影響が及ばずに、
問題の発生したアプリケーションだけを強制終了させることができます。
「素」な顔してエラーが発生したことを伝えてきます。
何が違うかと言うと、やはり一番大きな要素といえるのは、
完全なマルチタスク環境の実現と、「Win32カーネル」の位置の違いによる、
「メモリー管理方法の違い」が挙げられるでしょう。
メモリーの管理方法の違い
Windows 95 では、16ビットアプリケーションと32ビットアプリケーションが
同じメモリー空間を共有していました。
共有していることで、1つのアプリケーションが暴走した場合にほかのアプリケーションの
メモリー空間を破壊する可能性がありました。
Windows NT では、実行している各アプリケーションが完全に別のメモリー空間で処理されるため、
もし、1つのアプリケーションが暴走してもほかのアプリケーションに飛び火することはなくなりました。
さらに、「Win 32 カーネル」という カーネル(オペレーティングシステムの「核」)の中でも
Windows アプリケーションを動かすための、
いわば「核」ともいうべきプログラムの置かれる位置が違うことによる安定性もあります。
要は 「Win 32 KERNEL」を USER MODE 側から(Windows 95)本来あるべき位置である
KERNEL MODE に移すことによって、KERNEL とアプリケーション(USER MODE 側)
を完全に分離させた(Windows NT)ということ。
そもそも、USER MODE 側から KERNEL MODE へのメモリーアクセスはできないために、
もし、USER MODE 側でトラブルがあっても KERNEL (OS) への影響は起こり得ません。
他には、32ビットアプリケーションの実行速度が速いことが挙げられます。
ハードウェアがまったく同じ環境で、オペレーティングシステムに Windows 95 を使っているのと、
Windows NT を使っているのでは 32 ビットアプリケーションの動作速度が違います。
たとえば、僕のマシンは IBM Aptiva H55 (CPU Pentium 150MHz MEMORY 96MB) でしたが、
この環境で 32 ビットアプリケーションである Word 97 を起動したときの速度
(いずれも OS 起動直後に起動させた)は、明らかに Windows NT で行う方が速くなります。
どの程度速くなるかということを表で示してみました。
Aptiva H55 ※
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1例目
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2例目
|
Windows 95 (OS の起動直後)
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10秒07
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13秒52
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Windows NT (OS の起動直後)
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6秒38
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5秒81
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Windows 95 (Word 2回目の起動)
|
2秒68
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2秒67
|
Windows NT (Word 2回目の起動)
|
2秒38
|
2秒05
|
※実験環境=Aptiva H55 (Pentium 150MHz 96MB Memory)・ストップウォッチによる手動測定
CPU の動作速度を 180MHz にしてオペレーティングシステムに Windows NT、
アプリケーションに Word 98 の環境で測定したところ、
OS 起動直後の実行で文字入力が可能になるまでに5秒、
2回目の実行で2秒弱でした。
参考までに...
この他にも、
見た目が Windows 95 とほぼ同じなので親しみやすい
などを挙げることができます。
しかし、反面デメリットも見逃せません。
- プラグアンドプレイ(PnP)機能が正式にサポートされていない。
- ハードウェアーに対応した Windows NT 用のドライバーを出していない場合がある。
- 今のところ USB がサポートされていない。(BIOS の設定で、USB を BIOS の管理にする設定にすることによって、
キーボードやマウスなど、一部のハードウェアは使える場合がある。)
- 厳格なセキュリティゆえに面倒なこともある。
- 設定が面倒な場合がある。
- 企業での管理やネットワーク関係の書物は多いものの、
個人向けの情報が不足している。
もっとも、そもそも、個人がちまちまと使うことはあまり想定されていないために当然と言えば当然ですが...
・・・など。
そして、特にパソコンでゲームをされる方は注意が必要です。
Windows NT で稼動するゲームは、最近増えてはいるものの、
正式サポート製品はまだかなり少ないということです。
たとえ、Windows 95 で稼動していても Windows NT では動かないものがたくさんあります。
さて、次のページでは実際に Windows NT をインストールする概要を書いています。
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